技能者インタビュー 黄綬褒章

創業の事業に誇りを持ち、
社会に貢献する製品を作っていること

黄綬褒章 宮澤 隆(製造3部)

みやざわ・たかし/1974年入社。
レンズ加工を経て、組立て職場へ。
以後、30年以上にわたり顕微鏡の組立て一筋。
2001年に「現代の名工」、2003年に「黄綬褒章」を受章。
現在は社内の技能道場で教育を担当。
趣味は空手とキャンピングカーで温泉をめぐる旅。

黄綬褒章 宮澤 隆(製造3部 組立2グループ)

顕微鏡は生き物みたい

小さい頃から、伊那工場の「カメラと顕微鏡のオリンパス」と書かれた看板を見て育ちました。そのせいか、入社してからずっと「顕微鏡は大事な創業の事業」と思いながら仕事をしています。
顕微鏡の組立てで面白いところは、愛情を持って作業すると、きちんとそれに応えて性能を出してくれるところ。もちろん部品はすべて規格通りですが、それぞれの特徴やくせをよく見て組立てるのとそうでないのとでは、出来上がりがまったく違うんです。それは自分の調整ひとつの違いだったりするので、顕微鏡ってまるで生き物みたいだなぁとよく思います。今はもっぱら後輩指導にあたっていますが、自分のこうしたものづくりへの思いは、若い人たちにしっかり伝えていきたいですね。

喜びと誇りを感じる事業

仕事をしていて嬉しい瞬間は、自分の後輩が「現代の名工」や「信州の名工」として認められたとき。身近でずっと懸命に取組む姿を見ているので、「世間に認められて、よかったなぁ」と本当に嬉しく思います。それから、ノーベル賞に輝く先生方が、私たちが作った顕微鏡を使っていることも最高に嬉しい。私たちは先生にはなれないけれど、先生が使う道具が作れる。それで先生が未来の人を救えるというのは、やっぱり嬉しいですよ。
社会貢献といった意味ではもうひとつ。2011年3月に東日本大震災が発生して、福島県の原子力発電所の事故が深刻な状況だったとき、真っ先に原子炉の内部を映し出したのは、私の職場の隣で作っている工業用内視鏡だったんですよ。日本中が悲しみのどん底にいる中で、オリンパスが活躍している様子をテレビで見たときは、本当に鳥肌が立つくらい感動的でした。
このように、世の中の様々な場面で活用されている製品を世の中に出しているということは、喜びであり、誇りですね。

失敗の機会を提供したい

今年は、新たな取り組みとして、私が担当する技能道場で、組立部門に配属された新入社員向けの要素技能教育をスタートしました。職場だとなかなか失敗は許されないけれど、やっぱり失敗した方が覚えるんですよ。私自身、たくさん失敗してきたし、失敗したほうが優れた技能者になることも知っています。よいものづくりのためにも、もっと失敗できる機会を提供してあげたいですね。